オーガニックコットンの糸でリンクスのクルーソックスを編みたてました。
お世話になっている糸屋さんに
「オーガニックコットン」を扱う前に 読んでおいてといわれて
コピーされた4ページほどの文書を手渡されました。
そこにはあまり知られていない綿花栽培の現状の報告が書かれていました。
綿花は主にエジプト・インド・中国・アメリカを中心に栽培されています。
その栽培の過程において どれほど大量の農薬を使用しているのか、、
年平均20~30散布、害虫が発生すれば そのつどだという。
綿花は全農作物の中でもっとも農薬を使用する作物だそうで
国連食料農業機構は 農薬による労働者の死者数は年間500万人と推定
しているそうです。
綿花栽培がもっとも盛んなインド北部の綿花栽培の従事者は
防護服はおろか 手袋やマスクすらせず農薬散布を行い
住民の多くが癌を発症していて インド政府はその危険性を警告しつつも
輸出業の一角を担う綿花栽培の拡大を望んでいるため大きな悪循環が生じているそうです。
それらインドの発展途上国が使用する農薬の問題と日本とのかかわりは
あまり知られていないけど 深いものだといいます。
政府開発援助(ODA)として 日本の企業が生産した農薬を 彼らは
大半使用しているというのです。
結果的に企業が利益を得て その 輸入した商品を私たちは何も知らずに(知らされずに)
購入している現状。
人への被害だけでなく 自然界にも大きな傷跡を残している。
農業廃水が海や川へ流れ込み、海草や魚介類の数の減少など
知らず知らずのうちに 悲しい現状を招いているのです。
有機農業はこうした環境や健康への影響が少なく
農家が販売する価格も安定している。。でも農薬が使用できない分
労働量が格段に増大しているそうで なかでも膨大な土地の草取りはすべて手作業で行わねばならない。
また化学肥料を使用していないので その土壌作りには相当の技術と知識、経験が
必要となり 害虫や 疫病などに蝕まれた場合は もちろん農家の収入は激減するという。
私たちは今までにたくさんの糸をあつかってきました。
綿花がこのような農家のご苦労があって栽培され 多くの犠牲を払われてきたものだと
考えたことがあったでしょうか。。
オーガニック。
すぐイメージで飛びつくわたしたちだけど 栽培されている農家のご苦労を
ほんの片時でも心根で想い、そして現状を知り、
大切に扱っていかねばならない、、と改めて考えさせられました。
オーガニックとは 私たち消費者にやさしい素材という前に 生産者や労働者にやさしいもので
あるべきなのです。
環境のことは多く報道される一方で 人のことはあまり報道されないのが実情。
自然環境のみならず そこに暮らす人々の 命と尊厳を奪う先進国の
産業。。
自国では二酸化炭素の排出削減を掲げておきながら
先進国で大量の二酸化炭素を排出させている・・・。
文書をまとめたNPO法人国際オーガニックテクニカル協会の秋田氏同様
わたしも大きな矛盾を感じてしまう。。。
皆さんはどう思いますか?